微睡みの地平線

猫のヒゲ集めてます。

死にたいくらいに憧れた琵琶湖のコト。其の1

琵琶湖。日本一大きな湖。現在のブラックバス日本記録もここから出ている。20数年前、中学生だった俺達には憧れの聖地だった。そんな俺達が琵琶湖に初めて挑んだ時の話を書いてみようと思う。

前回の話から数ヵ月経ち、俺達はそれぞれ進路も決まり無事に卒業の運びとなった。高校入学までの春休みを利用して仲間で卒業旅行をしないか?と誰かが言い出した。前回登場したA、Mだけでなく、クラスメイトの仲の良い仲間達も一緒だ。

釣りをするやつ、しないやつが半々くらいのメンバーで7人集まった。皆で話あって関西方面に行く事になった。俺達3人の目的はもちろん琵琶湖だった。他のメンバー達は大阪、京都だったが半ば強引に琵琶湖周辺に宿を取る事になった。

肝心の移動手段だが、「青春18きっぷ」を利用して普通列車のみで滋賀県まで移動する事にした。若さとバカさが溢れていた俺達は今なら行く前からゲンナリしてしまうような鈍行の旅にわくわくして何日も前から入念に準備を始めていた。

釣行前の準備、ましてや初の琵琶湖遠征ともなれば気合いが入る。色々な琵琶湖関係の釣り本を読みあさり、釣り雑誌の過去の記事に付箋紙を挟み…受験にこの集中力と情熱を使っていたらレベルがワンランク高い学校に入る事は簡単だったのではなかろうか?

馴染みの釣具店の親父さんにも琵琶湖に行ってきたお客さんの話を聞いたり、実績のあるルアーを教えてもらったりした。この釣具店では、学生限定でブラックバスのフォトダービーを開催していて、毎年上位に入ってくるのが琵琶湖遠征した連中だった。この頃は夢のサイズだった50センチオーバーが「釣れる」というイージーなイメージを抱いていた。

前述の琵琶湖遠征した連中が釣りをしたポイントは沖ノ島周辺だった。俺達も沖ノ島に入りたかったのだが、釣りをしない連中の交通手段の確保などの事情から琵琶湖湖西と言われる地域を中心に回る事にした。

列車の時刻を調べてくれた友人によると出発は夜中になるようだった。夜中という事がまた俺達をわくわくさせた。ありったけのルアーと少しの着替えと竿とリール。希望に胸をふくらませて自転車で真夜中の駅に向かった。


長くなりそうなので続きます。